俺たちは碇シンジを卒業できない

碇シンジを卒業できない全ての者たちに捧げます。

乃木坂46 雑感

最近、在宅でハマっている乃木坂46の雑感。
在宅なので当然、握手会には行ったことないし、生で見たこともない。それでも魅力的だと感じるのは、各種メディアにコンテンツが数多く存在し、それを受容するだけで十分楽しいからだ。『乃木坂って、どこ?』『乃木坂って、ここ!』といった番組をはじめ、Youtubeにアップされている過去の番組、CDに付いている特典映像、メンバーのブログなど、ネットに存在する膨大なデータベースと次々と発信される新しいコンテンツがあるので飽きない。彼女たち自身のキャラクターもどこかお嬢様っぽさがあり、そこが他の48グループとは違う魅力に思える。ちなみに私が気になっていて握手会を取るとしたら行きたいメンバーは、おしとやかな関西弁が堪らない西野七瀬さん、バカリボンが可愛いひめたん、独特のテンポ感のある喋りが可愛い生駒ちゃん、ドルヲタトークで花を咲かせたい中田花奈ちゃんあたりだ。

ところで私自身は基本的に現場主義であり、アイドルを生で見て触れ合うことを重視している。そんな私がなぜ在宅で乃木坂にハマったのか。
その最大の理由は、メンバー同士が戯れ合うコミュニケーションを見ているだけで楽しめることにある。そしてこれは乃木坂46最大の魅力でもあると私は考えている。つまり『乃木坂って、どこ?』などの番組で、メンバー各々がキャラを活かしたトークを展開したり、バラエティ的な企画を行ったりする様子を見ているだけ楽しめるのである。

これは一見当たり前のことのようであるが、アイドルグループ内のコミュニケーションだけで完結する面白さ(そしてそこから得られるある種の快楽)が得られるという状態は、なかなか成立し得るものではない。成立するためには大人数グループであること、キャラが立っていること、そしてアイドルである以上、一定以上のルックスを持っていること(面白いだけなら芸人を見ればいい)が必要となる。またいくらこれらの条件を満たしていても、披露する場を持っていなければ意味がない。そのためテレビ、ネット、特典映像、なんでもいいが披露するメディアを持っている必要がある。この条件を満たすのは、必然的に力を持ったメジャーアイドルとなる。思い浮かぶアイドルをあげると、48グループ、アイドリング、さくら学院ハロープロジェクトなどになるだろう。

アイドルは大まかに分けると、メディア型アイドルとライブアイドルの2パターンに分けられると思う。前述したメンバー同士の戯れのコミュニケーションを見て楽しめるということはメディア型アイドルにおいて重要な魅力の1つだ。もちろん乃木坂46はこちらに分類される。
当然ながらメディア型アイドルもライブは行うし、そのパフォーマンスが魅力的であることは間違いない。しかしながら彼女たちのライブは、その人気ゆえにチケットが入手困難であったり、会場の規模が大きく肉眼では見えないスケールであることが多い。ライブアイドルに行き慣れた私からすれば、こうした障壁を乗り越えて、近くでライブを見ようとする努力をするのなら、もっと小さいライブハウスで手軽にライブが楽しめるライブアイドルに行くよ、とならざるを得ない。
またメディア型アイドルもライブアイドルも握手会でコミュニケーションを取ることができ、これもまたアイドルの魅力である。しかし握手会においてもまた、残念ながら多くのライブアイドルに軍配を上げざるを得ない。話せる時間が圧倒的に違うのだから、これは仕方のないことである。特に地下アイドルクラスのライブアイドルで一回の握手につき1分以上話せることに慣れていれば、メディア型アイドルの1回につき10秒足らずの時間では、単純にコストパフォーマンスが悪いと感じてしまうのである。

メディア型アイドルがライブアイドルに劣る点ばかり上げてしまったが、逆に言えばその欠点を補うほどに、メンバー同士の戯れを見て楽しむという欲求が充足される快楽が乃木坂46にはあるということだ。
この点をもっと掘り下げていきたい。

アイドルの戯れを見て楽しむ欲求において、それを見ている「私」はただの傍観者だ。「私」は彼女たちのキャラを把握し、バラエティ番組などでキャラが発揮されたコミュニケーションを見て楽しむ。彼女たちの日常を綴ったブログを見て、今日はメンバーの誰と何をしていたのかといったことを見て楽しむ。コンテンツは彼女たちのコミュニケーションの数だけ存在し、コミュニケーションが新たなキャラを生み、キャラが新たなコミュニケーションを生む。つまり我々は彼女たちのコミュニケーションとキャラを消費しているのである。これは例えば『けいおん!』などの日常系アニメを見て、キャラ同士の無目的なコミュニケーションの戯れを見て消費するのと同じ構図である。
このようにあくまでも傍観者として、コミュニケーション消費・キャラ消費という享楽的な楽しみ方ができるのが私にとっての乃木坂46なのである。

最後に乃木坂46と48グループ(AKB、SKE、HKT)の違いを上げると、劇場を持っていないという点が決定的だと思う。劇場を持っている48グループは、たとえ参加障壁が高くともライブアイドル的な要素が多分に含まれている。一方で乃木坂46は劇場を持っていない。ホームと呼べる場所があるとすれば、それは結成以来放送されてきた『乃木坂って、どこ?』ということになるだろう。48グループであれば選抜総選挙やじゃんけん大会などの「現場」で行われる選抜発表も、乃木坂は乃木どこの番組内で行われてきたという事実から見てもやはり乃木どこがホームと言えそうだ。つまり乃木坂46は典型的なメディア型アイドルとしての性質を帯びているということになる。
この性質を踏まえた上であえて言えば、乃木坂46は最も在宅で楽しめるアイドルグループと言えるのである。